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住宅知識

賃貸と持ち家で本当に1300万円の差?どっちがお得か30年で徹底比較!

■賃貸と持ち家で「1300万円の差」は本当?

「賃貸と持ち家では、最終的に1300万円もの差が出る」
こんな言葉を、ネット記事やSNSで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ただし、この数字だけを見て「じゃあ持ち家のほうが絶対にお得」と判断するのは早計です。

賃貸にも持ち家にも、それぞれメリット・デメリットがあり、向いている人は異なります。この記事では、「1300万円の差」がどのような考え方から生まれているのかを整理しつつ、コスト面だけでなく暮らしの価値や将来の安心まで含めて解説します。

最終的に「どっちがお得か」ではなく、「自分に合うのはどちらか」を判断できることをゴールにしていきましょう。

■ 1300万円の差とは?よくある試算の考え方

「1300万円の差」は、多くの場合、30〜35年という長期間での住居費総額を比較したシミュレーションから導かれています。

【賃貸の場合】

家賃:7〜8万円

●期間:30〜35年

●管理費・駐車場代・更新料などを含む

この条件で計算すると、総額は2,500万〜3,000万円超になるケースも珍しくありません。
毎月の負担は一定でも、「住み続ける限り支払いが終わらない」という特徴があります。

【持ち家の場合】

●住宅ローン:家賃と同程度の月額

●固定資産税・修繕費が発生

●住宅ローン控除による減税(一定期間)

●ローン完済後は、住居費が大きく軽減

これらを踏まえると、長期的な支出総額は2,000万円前後に収まる試算が多く、結果として「賃貸との差が約1300万円」という数字が出てくるのです。

【注意点】

この1300万円という金額は、あくまで一般的なモデルケースです。
家賃、購入価格、金利、修繕の考え方によって差額は大きく前後します。

■賃貸のメリット・デメリット

【賃貸のメリット】

●転勤やライフスタイルの変化に合わせて住み替えしやすい

●初期費用が比較的少ない

●建物の修繕費は基本的に不要

●管理やメンテナンスの手間が少ない

【賃貸のデメリット】

●家賃を一生払い続ける必要がある

●老後に住まいを確保できる保証がない

●資産として何も残らない

●間取りや設備、音の問題などに制限がある

「身軽さ」は大きな魅力ですが、長期視点では不安を感じやすい側面もあります。

■持ち家(購入)のメリット・デメリット

【持ち家のメリット】

●ローン完済後の住居費が大幅に下がる

●宅ローン控除などの減税制度がある

●間取りや設備を自由に選べる

●土地・建物が資産として残る

【持ち家のデメリット】

●頭金や諸費用など初期費用が必要

●固定資産税や修繕費がかかる

●簡単に住み替えできない

●ローン返済という長期的責任がある

安定性と引き換えに、柔軟性はやや下がるのが特徴です。

■30〜35年でどう差がつく?シミュレーション例

※以下はあくまで一般的な試算例です。

【賃貸】

●家賃8万円 × 35年 = 約3,360万円

●更新料など = 約20〜30万円

→ 合計:約3,400万円前後

【持ち家】

●ローン8万円 × 35年 = 約3,360万円

●固定資産税:35年で約350〜500万円

●修繕費:計画的に約300〜500万円

●住宅ローン控除:▲200〜300万円

→ 実質負担:約2,100〜2,400万円

この差が、よく言われる「1300万円前後」の根拠です。

■ 金額だけでは測れない「暮らしの価値」

住まいは、単なる支出項目ではありません。

●賃貸:自由度が高く、身軽に動ける

●持ち家:安心感があり、生活の拠点を築ける

子育て、老後、働き方など、ライフステージによって価値の感じ方は変わります。「安いか高いか」だけでなく、「どう暮らしたいか」を基準に考えることが重要です。

■どっちがお得?結論はライフプラン次第

【賃貸が向いている人】

●転勤や引っ越しが多い

●住まいへのこだわりが少ない

●大きな借入を避けたい

【持ち家が向いている人】

●長く同じ地域で暮らしたい

●家族の拠点を持ちたい

●将来の資産を残したい

「どっちがお得か」の答えは、人によって異なります。

■まとめ|1300万円の差より大切なのは“自分に合う選択”

賃貸と持ち家を長期で比べると、確かに大きなコスト差が生まれることがあります。その代表的な目安が「1300万円の差」です。

ただし、この数字はあくまで一例。大切なのは、お金だけでなく暮らしや安心感、将来設計を含めて判断することです。

「どっちがお得か」ではなく、「どっちが自分に合うか」。
この視点を持つことが、後悔しない住まい選びにつながります。